2D-Lidarと3D-Lidarの違いは?進化を遂げたニデックドライブテクノロジーのAMR | 搬送ロボットガイド
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2D-Lidarと3D-Lidarの違いは?進化を遂げたニデックドライブテクノロジーのAMR
公開:2024.06.27 更新:2025.03.27
AMR(自律移動ロボット)は、光学・超音波・赤外線センサーで周囲を認識し、安全かつ効率的に移動します。従来の2D-LiDARの課題を、AMRは3D-LiDARやSLAM技術で克服しました。ニデックドライブテクノロジーのAMR「S-CART-V100」は、ガイドレス運行が可能で生産性向上に寄与します。
目次
AGVより優れた検知機能を持つAMR
AMRは最新の光学センサーや超音波センサー、赤外線センサーなどを使って、周囲の状況をリアルタイムで認識できます。これにより、障害物をすばやく検知し、安全な経路を自動的に選んで効率よく目的地まで移動できます。
◇障害物を検知した場合の違い
AMR(自律移動ロボット)は、光学センサー、超音波センサー、赤外線センサーなどを駆使して周囲の環境をリアルタイムに認識します。
障害物を検知すると、一旦停止し、保持している地図データを基に最適な迂回ルートを自動的に計算し、目的地までの搬送を継続します。このプロセスにより、障害物を避けつつ柔軟かつ効率的な移動が可能となり、作業の中断を最小限に抑えることができます。
一方、AGV(自動誘導車)は、床面に敷設された磁気テープやワイヤー、誘導線に沿って走行する方式が一般的です。障害物を検知すると、即座に停止し、その場で動きが止まります。そのため、障害物の回避やルート変更には限界があり、環境の変化に対する柔軟性に欠ける場合があります。
この特性により、AGVは事前に設定された固定ルートでの運用が主となり、柔軟な対応が求められる状況ではAMRの方が適していると言えます。
◇AGVを活用する場合は安全対策が必要
AGVを導入する際には、JIS規格「無人搬送車及び無人搬送車システム-安全要求事項及び検証」に基づき、障害物接触検知装置、警報装置、接近検出装置などの安全装置を必ず取り付ける必要があります。これらの安全装置は、AGVの運用中に発生しうるリスクを低減するために不可欠です。
しかし、これらの安全装置を導入しても、すべてのリスクを完全に排除することはできません。例えば、従業員がAGVと接触してケガをしたり、荷物やAGV自体が損傷したりする可能性があります。
また、AGVが障害物を検知して停止した場合、搬送作業が中断し、全体の生産性に影響を及ぼすことも考慮しなければなりません。そのため、AGVの運用にあたっては、リスクを最小限に抑えるための対策や従業員教育、適切な運用管理が重要です。
AGVの安全性を高めるためには、定期的なメンテナンスや運行状況の監視、障害物の除去などの環境整備が必要です。さらに、従業員への教育や訓練を通じて、安全な取り扱いや緊急時の対応方法を周知徹底することが求められます。これらの取り組みにより、AGVの安全かつ効果的な運用が可能となります。
AMRとAGVは、それぞれ異なる特性と運用方法を持つ自動搬送ロボットです。AMRは環境認識能力が高く、障害物を回避しながら柔軟に移動できますが、導入コストが高めであることが多いです。
一方、AGVは固定ルートでの運用が主であり、導入コストが比較的低い傾向がありますが、安全対策や環境整備が重要となります。各ロボットの特性を理解し、運用環境や目的に応じて適切な選択を行うことが、効率的な物流システム構築の鍵となります。
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従来の検知機能の課題
従来の検知機能にはいくつかの課題があり、2D-LiDARでは環境や風景の変化、動的な物体の影響、グローバル・リローカリゼーションの難しさなどが挙げられます。これらの課題により、ロボットが自己位置を正確に認識することが困難になり、生産性や安全性に影響を及ぼす可能性があるでしょう。
◇2D-LiDARの概要
LiDAR(Light Detection and Ranging)は、レーザー光を使って物体までの距離を測定し、3Dの空間情報を生成する技術です。主に自動運転車やドローン、ロボティクスなどで利用されており、物体検出や障害物回避に重要な役割を果たしています。
2D-LiDARは、1本のレーザー光を水平方向に回転させることによって、周囲の物体までの距離と、その角度の情報を収集します。このため、取得される情報はあくまで「平面」上のものに限られ、立体的な物体の形状や高さの情報は得られません。従って、シンプルで低コストなデバイスとして使われることが多いです。
◇2D-LiDARの特徴と利点
- シンプルな設計:1本のレーザーを使って回転させるため、設計が比較的簡単でコストも低いです。
- コストパフォーマンス:他のLiDAR技術(例えば3D-LiDAR)と比較して、比較的安価で導入しやすいです。
- 軽量で小型:物体検出や障害物回避が主目的の用途では、サイズや重量の制約が少ないことも利点です。
◇2D-LiDARの主な用途
- ロボットの障害物検知:ロボットが動作する際に、周囲の障害物を検出するために広く使用されています。
- 自動運転車:自動運転車の初期段階では、簡易的な障害物検知を行うために2D-LiDARが利用されることもあります。特に低速走行時に役立ちます。
- マッピングとナビゲーション:環境の占有グリッドマップを作成するために用いられ、特に静止した物体や障害物のマッピングに有効です。
◇2D-LiDARの課題
- 環境の変化に敏感:2D-LiDARは、環境の変化に敏感で、特に動的な障害物や風景の変化には弱いです。これにより、動的な環境下での精度が低下する可能性があります。
- 限定的な自己位置認識:自己位置を正確に認識するためには、オリジナルのマップが正確であり、環境の変化に合わせて補正が必要です。また、ロボットが動くと、前の位置を特定するのが難しくなることがあります。
- 3D情報の欠如:物体の高さや立体的な情報が不足しているため、特に複雑な形状を持つ物体の検出や認識には限界があります。
◇2D-LiDARと3D-LiDARの違い
- 精度:2D-LiDARは、水平面での障害物検知には非常に有効ですが、物体の高さや形状の詳細には対応できません。これに対して、3D-LiDARはX, Y, Zの情報を取得するため、物体の詳細な認識が可能です。
- コストと用途:2D-LiDARは基本的な障害物検知やマッピングに最適ですが、3D-LiDARは、より高度な環境認識やナビゲーションが求められる場合に使用されます。3D-LiDARはコストが高く、精度も高いため、より複雑な状況での運用に向いています。
このように、2D-LiDARはシンプルで安価な技術として多くの基本的な用途に対応できますが、環境の変化や物体の立体的な認識が必要な場合には3D-LiDARに比べて限界があることがわかります。
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AMRのSLAMの種類と違い
SLAM技術には、例えばLiDERSLAM(レーザーセンサ)があります。これは遠距離でも高精度な計測と詳細なマップ生成が可能です。一方、Visual SLAM(画像認識)は比較的低コストで実装でき、ロボットの製造コストを抑える利点があります。これらの技術はそれぞれ特性や利用シーンに応じて選択され、最適な自律走行の実現を支援しています。
◇LiDERSLAM
LiDERSLAMは、LiDAR(レーザースキャナ)を用いてデータを取得し、物体までの距離を測定することで、周辺環境の地図を作成し、その地図上で自己位置を推定する方式です。こ
の技術は遠距離でも高精度な計測が可能で、詳細なマップを生成できます。ただし、周囲に検知対象が少ない環境ではデータの取得が難しくなり、システムに負荷がかかるという課題があります。
◇Visual SLAM
Visual SLAMは、内蔵されたカメラで撮影した映像をもとにして環境地図を作成し、ロボットの自己位置を推定する技術です。この技術には、単眼カメラや複数レンズのステレオカメラなどがあります。カメラのコストが比較的低いため、ロボットの製造コストを抑える利点があります。
導入事例としては、IMU(慣性計測装置)やToF(Time-of-Flight)センサーと組み合わせることで、より精密な位置推定が可能です。
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2Dから3Dに進化したビジョンシステムを搭載するAMR
AMR(自律移動ロボット)のビジョンシステムは、2Dから3Dへと進化を遂げ、より高度な環境認識と自己位置推定が可能になりました。この進化により、複雑な作業環境でも精度の高い自律走行が実現し、生産性の向上と運用の効率化が期待されています。
◇ニデックドライブテクノロジーについて
ニデックドライブテクノロジーは、「情熱、熱意、執念」「知的ハードワーキング」「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」という理念に基づき、事業を展開しています。
主力製品は減速機とプレス機です。減速機事業では、高精度でコンパクト、静音な製品を幅広く提供しています。また、同事業内で無人搬送台車の製造を行っています。
プレス機事業では、世界最高速度の小型高速精密プレス機から超大型サーボプレス機まで、多彩な製品と周辺機器を組み合わせたトータルソリューションを行っています。
両事業共に、世界市場で高品質な製品を提供しており、独自の地位を確立している企業です。
◇進化を遂げたニデックドライブテクノロジーのAMR
進化したAMR「S-CART-V100」は、搬送重量100kg、連続稼働8時間、低床設計で高さ20cmの障害物を潜り抜けることが可能です。レーザーセンサで走行エリアの地図を作成し、自己位置を推定しながらガイドレスで運行します。これにより、工場内のレイアウト変更にも柔軟に対応可能です。
タブレットでの簡単操作、IoT対応の通信機能(Wi-Fi)を備え、自動運行も可能なビジョンシステムを搭載しています。さらに、充実したサービス体制により、導入後も安心して運用できます。
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◇大喜産業株式会社

大喜産業は創業80年を超える企業であり、「和合」「実行」「今を活かす」「感謝」「自信を持つ」を理念に、顧客と全家族、企業が一体となり、社会への貢献を目指しています。社会課題への取り組みも重視し、持続可能な社会の実現に貢献するため、常に成長を続ける姿勢を大切にしています。
会社名 | 大喜産業株式会社 |
営業本部 | <住所> 〒550-0012 大阪市西区立売堀1-5-9 <電話番号> 06-6541-1987 |
営業本部東京オフィス | <住所> 〒100-0004 東京都千代田区大手町1-5-1 大手町ファーストスクエア4F <電話番号> 03-5219-1463 |
大阪支店 | <住所> 〒550-0012 大阪市西区立売堀1-5-9 <電話番号> 06-6532-0751 |
東京支店 | <住所> 〒333-0815 埼玉県川口市北原台3-2-21 <電話番号> 048-297-1388 |
東京支店つくばオフィス | <住所> 〒305-0031 茨城県つくば市吾妻1-5-7 ダイワロイネットホテルつくば2F <電話番号> 029-817-4844 |
名古屋支店 | <住所> 〒452-0805 愛知県名古屋市西区市場木町416 <電話番号> 052-505-8201 |
東大阪支店 | <住所> 〒581-0861 大阪府八尾市東町4-1 <電話番号> 072-997-0123 |
京滋支店 | <住所> 〒520-3047 滋賀県栗東市手原3-2-3 <電話番号> 077-553-6155 |
四国支店 | <住所> 〒761-0301 香川県高松市林町2554-1 <電話番号> 087-868-4511 |
九州支店 | <住所> 〒812-0895 福岡県福岡市博多区竹下2-4-7 <電話番号> 092-441-0198 |
公式ホームページ | https://www.daiki-sangyo.co.jp/ |
また、人との共存にフォーカスしたロボットソリューションを展開しており、協働ロボットの導入支援や、パレタイズロボットの提供を通じて、人材不足の解消や生産性向上に貢献しています。多種多様なニーズに対応できる製品を取り扱い、顧客の課題解決に尽力しています。
大喜産業株式会社について詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください。
▼MiR社の魅力的なMiR製品とその販売代理店・大喜産業とは
さらに詳しい情報は公式ホームページでも確認できます。ぜひチェックしてみてください。
◇株式会社Piezo Sonic

株式会社Piezo Sonicは、モーターとロボット技術で人々の生活を支えることを目指し、「ケガや病気になっても楽しめる生活ができる社会」の実現に向けて邁進しています。特に、詳細な仕様が決まっていない段階からの製品開発協力に強みを持ち、顧客のイメージを具現化するコンサルティング開発事業を展開しています。
会社名 | 株式会社Piezo Sonic |
所在地 | 〒143-0013 東京都大田区大森南4-6-15 テクノFRONT森ヶ崎507 |
電話番号 | 03-6379-6020 |
公式ホームページ | https://www.piezo-sonic.co.jp/ |
自社技術と協力メーカーとの共創による搬送用自律移動ロボット「Mighty」の開発プロジェクトを推進しており、その技術力は「2021年 大田区新製品・新技術コンクール最優秀賞」や「CES2022 Innovation Awards」受賞といった実績に裏打ちされています。Piezo Sonicは、これからも新しい製品の開発と技術の獲得に邁進し、社会に貢献していきます。
株式会社Piezo Sonicについて詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください。
▼段差も克服!Mighty-D3が実現する自律移動ロボットの進化とは?
◇シナノケンシ株式会社

アスピーナ株式会社は、高度なモーションコントロール技術を核に、産業用ロボット、医療機器、航空宇宙など幅広い分野で革新的なソリューションを提供しています。特に、自律走行搬送ロボット(AMR)の開発・製造に力を入れており、物流や製造現場の自動化・効率化に貢献しています。
会社名 | シナノケンシ株式会社 |
所在地 | 〒386-0498 長野県上田市上丸子1078 |
電話番号 | 0268-41-1800 |
公式ホームページ | https://jp.aspina-group.com/ja/ |
同社のAMRは、独自の制御技術とセンサー技術を組み合わせることで、安全かつ柔軟な搬送を実現しています。顧客のニーズに合わせたカスタマイズにも対応し、多様な環境での運用をサポートしています。技術力と顧客対応力を両輪に、次世代の自動化社会を牽引する企業です。
シナノケンシ株式会社について詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください。
▼ASPINA シナノケンシ株式会社の自律走行搬送ロボット「AspinaAMR」
AMR(自律移動ロボット)は、光学センサーや超音波センサー、赤外線センサーを用いて周囲をリアルタイムで認識し、安全かつ効率的に移動できます。障害物を検知すると、一時停止し、地図に基づいて迂回ルートを計算し作業を継続します。
一方、AGV(自動誘導車)は障害物を検知すると停止し、再稼働が難しいため、効率が低下します。AGVの運用には安全装置の導入や従業員教育が必要です。
従来の2D-LiDARは環境変化に弱く、自己位置の認識が難しい課題がありましたが、AMRは3D-LiDARやSLAM技術によりこれを克服しています。例えば、LiDERSLAMは高精度な計測を行い、Visual SLAMは低コストで精密な位置推定を実現します。
ニデックドライブテクノロジーのAMR「S-CART-V100」は、レーザーセンサで自己位置を推定しガイドレスで運行し、工場内のレイアウト変更にも柔軟に対応可能です。タブレットでの操作やIoT対応機能も備えており、生産性向上に寄与します。
