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AMR(自律走行搬送ロボット)

AMR導入事例10選|物流・製造業で成果を出した企業事例を比較 | AMR(自律走行搬送ロボット)

AMR

AMR導入事例10選|物流・製造業で成果を出した企業事例を比較

AMR

公開:2026.08.26 更新:2026.08.26

ロボットがいる倉庫

AMR(自律走行搬送ロボット)は、物流倉庫や工場の搬送業務を自動化し、人手不足や作業負担の軽減につなげられる設備です。実際の導入事例を見ると、単純な搬送だけでなく、ピッキングや台車の牽引、エレベーターなどの周辺設備との連携まで用途が広がっています。
本記事では、物流・製造業におけるAMR導入事例10選を紹介し、導入前の課題や導入内容、効果、特徴を比較するとともに、成功事例から分かるポイントや導入時の注意点について詳しく解説します。

AMR導入事例から分かる3つの成功ポイント

成功事例と書かれた紙とクリップ
引用元:フォトAC

AMRを導入した事例を見ると、単に搬送作業をロボットへ置き換えるだけでなく、導入目的や現場条件を明確にしたうえで運用を設計している点が共通しています。

特に、導入目的の明確化、事前検証、周辺設備との連携が、AMRを現場に定着させるうえで重要なポイントです。

導入目的を明確にしている

AMRの導入では、まず「何の作業を自動化したいのか」を明確にすることが重要です。工程間搬送、ピッキング、カゴ台車の牽引など、目的によって必要な積載能力や走行方式、周辺設備との連携方法が異なります。

例えば、長距離の工程間搬送では作業者の移動負担削減、ピッキングでは歩行距離の短縮、牽引では台車を含めた搬送工程の自動化が主な目的になります。

導入効果も目的によって異なるため、導入前に削減したい作業時間や人員負担などを具体化しておくことが大切です。

PoC(実証実験)を実施している

検証と書かれた水色のブロック
引用元:フォトAC

AMRは、実際の現場で走行させてみなければ分からない課題があります。通路幅や床面、搬送物の重量、人との動線、台車との連結などを確認するため、いきなり本導入するのではなく、PoC(実証実験)を行う方法が有効です。

導入事例でも、実際に使用する台車を使った牽引テストなど、導入前に実現性を確認しています。PoCによって想定していた運用との違いを把握し、必要な設備や走行ルート、運用方法を調整してから本導入につなげることが重要です。

搬送だけでなく周辺設備と連携している

AMR単体で搬送するだけでなく、エレベーターや自動ドア、WMS、コンベアなどの周辺設備と連携させることで、自動化できる範囲を広げられます。

例えば、複数階の搬送ではエレベーターとAMRを連携させることで、階をまたぐ搬送の自動化につなげられます。

一方で、設備を追加すればよいわけではありません。既存システムとの連携可否や設備間の受け渡し方法、安全対策、導入・保守コストまで確認する必要があります。

AMR単体ではなく、搬送工程全体を一つの仕組みとして設計することが成功のポイントです。

比較表AMR導入事例10選

トップ10と書かれたメモを持つ手
引用元:フォトAC

AMRの導入事例を比較すると、台車牽引や工程間搬送、ピッキング、複数階の搬送など、現場によって自動化する工程が異なります。

周辺設備との連携やレイアウト変更への対応など、AMRならではの特徴にも注目すると、自社への導入イメージをつかみやすくなります。

メーカー用途導入業界導入効果特徴
MiR(大喜産業)カゴ台車の牽引・倉庫内搬送物流・倉庫長距離搬送の省人化、安全性向上MiR250Hookで台車を牽引し、実機検証も実施
MiR × クマリフト複数階への資材搬送製造業・工場夜間搬送による作業時間の短縮AMRと荷物専用エレベーターを連携
MiR × Whirlpool組立ラインへの部品搬送家電製造工程間搬送の自動化、安全性向上カート搬送とフローラックを組み合わせた柔軟な搬送
オムロン工場内の部品搬送製造業搬送効率・生産性の向上AMRと生産管理システムなどの連携
ラピュタロボティクスピッキング支援物流・倉庫作業の標準化・生産性向上PA-AMRによる歩行数削減と作業支援
VisionNavパレット搬送・保管工場・物流搬送作業の省人化・効率化3D SLAM搭載の無人フォークリフトを活用
村田機械倉庫から製造棟への自動搬送医薬品・製造業保管・入出庫・搬送の効率化自動倉庫・AGV・無人フォークリフトを組み合わせて自動化
オムロン LDシリーズ製造ラインへの小口搬送製造業搬送業務の75%を自動化、リードタイム短縮大幅なレイアウト変更を抑えて導入
Standard Robots重量物の工程間搬送物流・製造業省人化・搬送効率向上ガイド工事不要で重量物搬送に対応
OTTO Motors工場内の部品・仕掛品搬送自動車・製造業搬送効率向上・レイアウト変更への対応自律走行と複数台の運行管理に対応

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AMR導入事例10選

導入事例と書かれた青いブロック
引用元:フォトAC

AMRは、単純な荷物の搬送だけでなく、台車の牽引やピッキング、工程間搬送、エレベーターを使った複数階の搬送など、さまざまな業務に活用されています。

実際の導入事例では、AMR単体ではなく、WMSやフローラック、エレベーターなどの周辺設備と組み合わせることで、搬送工程全体を自動化しているケースもあります。

ここからは、製造・物流・医薬品などの現場でAMRや自動搬送ロボットを導入した10の事例を取り上げ、導入前の課題や導入内容、効果、成功のポイントを紹介します。

① 大喜産業(MiR)× 重政商店

MiR250Hook
引用元大喜産業株式会社

導入前課題

倉庫拡張によって搬送距離が伸び、人手による荷物の運搬負担が増加していました。

AGVや他社AMRも検討しましたが、台車の牽引や荷物の積み下ろしまで自動化できない点が課題でした。在庫管理システムと連動し、出荷時の荷物集めまで自動化できる搬送手段が求められていました。

導入内容

牽引フックを備えた「MiR250Hook」を導入し、カゴ台車の搬送を自動化しました。

倉庫管理システムとの連動も視野に入れ、将来的には、倉庫管理システムと連動し、出荷時に必要な荷物を自動で集める運用も検討されています。

また、導入前には実機検証を行い、実際に使用する台車を牽引できるか確認しました。

導入効果

人が担っていた長距離の荷物運搬をロボットに任せられるようになりました。iPadやPCなど複数の端末から遠隔操作でき、ミッションもワンクリックで指示できます。搬送業務を自動化することで、人にしかできない業務へ人材を振り分けやすくなりました。

向いている企業

倉庫の拡張などによって搬送距離が長くなり、人手による運搬負担が増えている企業に向いています。カゴ台車などを牽引し、倉庫内の搬送業務を自動化したい企業にも適しています。在庫管理システムとの連動など、搬送業務のさらなる自動化を目指す企業にも有効です。

成功ポイントまとめ

  • 実際に使用するカゴ台車を使って事前に実機検証を行い、牽引や走行の実現性を確認した 
  • 搬送作業だけでなく、将来的な在庫管理システムとの連携まで見据えて導入を検討した 
  • 長距離搬送をAMRに任せ、人にしかできない業務へ人員を振り分ける運用を目指した

導入時の注意点・前提条件

MiR250Hookを導入する際は、実際に牽引するカゴ台車の重量や形状、走行ルート、通路幅などが適しているか確認する必要があります。また、倉庫のレイアウトや床面の状態、傾斜などによって走行条件が変わるため、事前の実機検証が重要です。

在庫管理システムとの連携や出荷業務まで自動化する場合は、既存システムとの連携可否や現場の運用変更も含めて検討する必要があります。

大喜産業の公式サイトにて、導入事例を詳しく紹介しています。

MiR250Hook導入実績 / 重政商店様

② MiR × クマリフト

MiR250
引用元:IDECファクトリーソリューションズ株式会社

導入前課題

勤務時間内に各階作業場へ資材搬送を行っていたため作業開始時のタイムロスや搬送効率の悪さが生じていたこと、また複数階の工場で階をまたぐ縦横の搬送作業を自動化・無人化できていなかったことが課題でした。

導入内容

荷物専用エレベーター(コンパクトベアー)と自律走行搬送ロボット(AMR:MiR250)を連携導入しました。

AMRにローラーコンベヤやリフトアップモジュール等の専用オプションを搭載し、エレベーター乗降や各階での荷受渡を行いました。自動充電や時間外運用を組み合わせることで、夜間を含む無人搬送を検討できます。

導入効果

勤務時間外や夜間のうちに資材搬送を完了させ、出社後すぐに生産・作業が開始できる環境を実現し時間のロスを削減しました。人が介在することなく階層を超えた縦横の搬送ラインの自動化・効率化を達成しています。

向いている企業

複数階の倉庫を所有し、フロア間の資材搬送によるタイムロスや手間に悩んでいる企業や、夜間・終業後の無人時間帯を活用して翌日の準備や搬送作業を完了させたい企業に向いています。工場や病院でも応用が可能です。

成功ポイントまとめ

  • AMRと荷物専用エレベーターを組み合わせ、複数階にまたがる搬送を自動化した 
  • 自動充電を活用し、勤務時間外や夜間にも搬送できる運用を構築した 
  • AMRの積載量や共用通路の安全性など、導入条件を事前に確認した 

導入時の注意点・前提条件

使用するAMRの種類によって積載上限(250kg以下または100kg以下)が異なり制限があります。昇降機は荷物専用ですが、廊下など人が通る共用部を走行ルートにする場合は十分な安全対策が必要です。

また、昇降機本体・AMR本体・各種アタッチメントで取り扱い企業(メーカーや代理店)が異なるため、個別のお問い合わせや保守体制の確認が必要です。

③ MiR × KARAKURI

導入前課題

乾燥機工場では大量の部品を組立ラインへ供給する必要があり、フォークリフトや牽引車などによる搬送が発生していました。搬送機器と作業者が同じ生産エリアを移動することで、接触リスクが生じる点も課題でした。

大量の部品を安定して供給しながら、搬送業務の自動化と安全性向上を図ることが求められていました。

導入内容

移動ロボットを活用し、部品を載せたカートを組立ラインまで自動搬送する工程を構築しました。ラインからの信号を受けてカートを牽引し、到着後は満杯の箱を降ろすと同時に空箱を回収する運用としています。

上部のフローラックから空箱を重力でロボット側へ移動させる仕組みと組み合わせ、コンベアを使わず工程間搬送を自動化しています。

導入効果

部品の工程間搬送を自動化することで、作業者による搬送やフォークリフトなどとの接触機会を減らし、安全性の向上につなげています。空箱の回収も搬送工程に組み込むことで、部品供給と容器回収を一連の流れとして効率化しています。

導入事例では投資回収期間を約2年と見積もっており、設備投資に対する効果も考慮して導入されています。

向いている企業

組立ラインへの部品供給など、工程間で定型的な搬送が繰り返し発生する工場に向いています。コンベアを新設するよりも、既存のレイアウトを活かしながら柔軟に搬送を自動化したい企業にも適しています。

ただし、カートの重量・形状や走行ルート、ラインとの受け渡し方法などを事前に検証し、自動化に適した工程か確認する必要があります。

成功ポイントまとめ

  • AMRによる部品搬送とフローラックを組み合わせ、工程間の搬送を自動化した 
  • コンベアを新設せず、既存レイアウトを活かした柔軟な搬送方法を採用した 
  • 部品供給と空箱回収を一連の工程として設計し、搬送全体の効率化を図った 

導入時の注意点・前提条件

導入には、ロボットが走行できる通路幅や床面、カートの重量・形状、組立ラインとの受け渡し位置などの確認が必要です。また、KARAKURIやフローラックと組み合わせる場合は、ロボットと周辺設備が連動して正常に荷物を受け渡せるか検証する必要があります。

投資対効果についても、単純な搬送時間だけでなく、人員削減効果、安全性、設備費、運用・保守費用などを含めて判断することが重要です。

④ オムロン

導入前課題

多品種少量生産の現場において、人手による工場内搬送の自動化やタイムリーな部品供給が十分にできておらず、作業中断や細かな停滞の蓄積により全体の生産性低下を招いていました。

また従来のガイドラインに縛られるAGVでは柔軟なルート変更やJust in Time搬送の実現に限界があったことが課題でした。

導入内容

従来のAGVから、センサによる周囲の把握や自動の最適経路判断が可能なAMR(自律走行搬送ロボット)への置換・導入を行いました。

複数台のAMRとMES(工程実行システム)や周辺付帯設備を連動させ、人のいる通路や多層階の施設内を含めた効率的な運行管理・自動搬送システムを構築しています。

導入効果

低付加価値な搬送作業から人員を解放して高付加価値な作業へと振り当てることで、大幅な生産性向上を実現しました。また、必要なタイミングで正確な部品供給を行うことで、搬送リードタイムの短縮とヒューマンエラー・身体的負荷の低減を達成しています。

向いている企業

多品種少量生産を行っており、人手による頻繁な部品搬送がボトルネックになっている製造現場に向いています。また、既存のAGVではルート変更が難しく、より柔軟でタイムリーなJust in Time搬送を実現したい企業にも適しています。

成功ポイントまとめ

  • 固定ルートを必要とするAGVから、柔軟な走行が可能なAMRへ移行した 
  • MESなどの周辺システムと連携し、必要なタイミングで部品を供給できる仕組みを構築した 
  • 人や障害物が存在する現場で安全に運用できるよう、走行環境とルートを事前に整備した

導入時の注意点・前提条件

AMRの導入にあたっては、使用するモデルごとに最大積載量などの仕様制限が存在するため事前確認が不可欠です。

また、人や障害物を自動で回避する仕組みや安全対策が十分に機能する走行環境・ルート設計を整える必要があり、システム連携や導入コストの精査が求められます。

⑤ ラピュタロボティクス

ラピュタPA-AMR大容量モデル
引用元:ラピュタロボティクス

導入前課題

物流センターの現場において、出荷作業がベテランスタッフの経験やノウハウに強く依存しており、属人化からの脱却やスポットワーカー・新人スタッフの早期戦力化ができていないことが大きな課題でした。

また、深刻な人手不足の中で従来の人的オペレーションが現場の大きな負荷となっていました。

導入内容

ピッキングアシストロボット(ラピュタPA-AMR大容量モデル)を導入しました。リストスキャン方式による柔軟な作業順序の割り当てと、マルチオーダーピッキングによる歩行数削減を組み合わせることで、効率的な庫内オペレーションの標準化を進めました。

導入効果

作業手順の標準化により属人化を解消し、新人やスポットワーカーでも即戦力として活躍できる環境を整備しました。さらに、歩行数の削減や作業効率化によって、生産性の劇的な向上(目標値の約2.5倍を達成)と出荷効率の最大化を実現しています。

向いている企業

出荷作業が個人のスキルや経験に依存しており、属人化や教育コストの増大に悩んでいる物流センターや倉庫を運営する企業に向いています。物流DXの一環として現場の省人化や生産性向上をスピーディーに推進したい現場に適しています。

成功ポイントまとめ

  • リストスキャン方式やマルチオーダーピッキングを活用し、作業者の歩行距離を削減した 
  • 作業手順を標準化し、新人やスポットワーカーでも作業しやすい環境を整えた 
  • 稼働データを分析しながら設定や運用を改善し、継続的に生産性を高めた 

導入時の注意点・前提条件

ロボット導入にあたっては、現場のレイアウトや取り扱う商材の特性(容量・重量など)に合わせたモデル選定や事前のシミュレーションが不可欠です。

また、システム連携にかかるコストや運用初期の教育体制、現場スタッフが新しいオペレーションにスムーズに適応するためのサポート体制を整える必要があります。

⑥ VisionNav

導入前課題

工場や倉庫などの現場におけるパレット搬送やコンベア等の設備間移動が手動オペレーションに依存しており、作業ミスの発生や労力・コストの面で非効率が生じていました。

導入内容

3D SLAM測位やセンシング技術を搭載したカウンターバランス型無人フォークリフト(VNP15)およびスマートなロボット制御システム(RCS)を導入し、コンベアから保管エリアへのパレット搬送や多層段積みを自動化しました。

導入効果

手動操作を減らして人的ミスや作業エラーを最小限に抑え、工場物流におけるパレット搬送の効率化と労働コストの大幅な削減を実現しました。

向いている企業

工場物流や自動倉庫を備えた現場において、パレット搬送やコンベア連携の自動化を進め、無人化による省人化・効率化を図りたい企業に向いています。

成功ポイントまとめ

  • 3D SLAMやセンシング技術を活用した無人フォークリフトでパレット搬送を自動化した 
  • コンベアや既存設備と連携させ、設備間の搬送工程を一体的に自動化した
  • パレットの重量・サイズや設備の高さなど、現場条件に合わせて機器を選定した

導入時の注意点・前提条件

導入する無人フォークリフトの仕様(最大積載量や揚高、アプローチ可能なサイズなど)が、自社で扱うパレットの重量やコンベアの高さ等に適合しているかの事前精査が不可欠です。また、安定稼働のためのシステム連携費用や現場環境の整備が必要となります。

⑦ 村田機械

スマートAGV「Premex XIO」
引用元:村田機械株式会社

導入前課題

医療機関向けジェネリック医薬品メーカーでは、土山工場の物流機能を大幅に向上させることが課題となっていました。原料・製品の保管から製造棟への受け渡しまで、物流工程全体の効率化が求められていました。

医薬品を扱うため、保管・搬送を安定して行える物流自動化システムの構築が必要でした。

導入内容

新物流棟に大規模なマテハン・物流自動化システムを導入し、原料・製品の保管にはダブルリーチタイプの自動倉庫を採用しました。倉庫との入出庫にはスマートAGV「Premex XIO」、製造棟との受け渡しには無人フォークリフト「Premex SLX」を導入しています。

従来のレール式台車から自動搬送機器へ切り替え、保管から製造棟への搬送まで自動化しました。

導入効果

自動倉庫によって原料・製品の保管効率を高め、倉庫内の入出庫や製造棟への搬送も自動化しています。AGVと無人フォークリフトを工程ごとに使い分けることで、物流棟と製造棟をつなぐ搬送体制を構築しています。

医薬品の物流工程を自動化することで、物流機能の向上と安定した搬送体制の実現につなげています。

向いている企業

医薬品や半導体など、保管・搬送の安定性や品質管理が重視される製造現場に適しています。原料や製品の保管量が多く、倉庫から製造工程までの自動搬送を検討している企業にも向いています。

ただし、導入時は搬送物の重量・サイズ、施設内の動線、既存設備との連携などを確認し、工程に適したシステムを設計する必要があります。

成功ポイントまとめ

  • 自動倉庫、AGV、無人フォークリフトを組み合わせ、保管から製造棟までの物流工程を自動化した 
  • 各工程に適した搬送機器を使い分け、物流棟と製造棟をつなぐ仕組みを構築した 
  • 医薬品の製造現場に合わせ、搬送能力だけでなく品質管理や施設環境まで考慮した

導入時の注意点・前提条件

自動搬送を導入する際は、搬送物の重量・サイズや搬送距離、通路幅、床面などの条件を事前に確認する必要があります。

医薬品や半導体の製造現場では、一般的な工場以上に品質管理や施設環境への配慮が求められるため、対象工程に適した設備仕様を検討することが重要です。

また、自動倉庫やAGV、無人フォークリフトを組み合わせる場合は、それぞれの設備を個別に導入するのではなく、入出庫から製造工程まで一連の物流として連携できるかを確認する必要があります。

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⑧ オムロン LDシリーズ

LDシリーズ
引用元:SKソリューション株式会社

導入前課題

人材不足が深刻化する中、多品種少量生産の現場において、1箱1個のような非効率なものも含めた毎日300回におよぶ手動の製造ライン搬送が大きな負担となっており、自動化の加速が急務でした。

導入内容

大きなレイアウト変更を行うことなく、専門的なティーチング不要で容易に導入できるオムロン モバイルロボットLDを導入しました。

人や障害物を自動で感知し、ぶつからない最適ルートを自分で考えて移動する自律走行の仕組みを構築しています。

導入効果

これまで人が行っていた搬送業務の75%をロボットによる自動化に置き換えました。また、従来のようなバッチ作業ではなく細かな搬送が可能になったことで、搬送リードタイムを平均で80%短縮することに成功しています。

向いている企業

多品種少量生産の現場や、頻繁な小口搬送・非効率な人手による運搬作業に悩んでおり、大きな設備変更をせずに自動化を進めたい企業に向いています。

成功ポイントまとめ

  • 大規模なレイアウト変更を行わず、既存の工場環境にAMRを導入した 
  • 人や障害物を検知して走行ルートを変更できる自律走行機能を活用した 
  • 多品種少量生産における細かな搬送を自動化し、搬送リードタイムの短縮につなげた

導入時の注意点・前提条件

導入にあたっては、ロボットが安全に走行できる通路幅や現場の環境条件の確認が必要です。また、人の安全確保や、既存の作業プロセスとロボットの運行ルートを調和させるための事前のシミュレーションおよび調整が求められます。

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⑨ Standard Robots

導入前課題

物流施設内の工程間における搬送業務において、固定式コンベアのないルートでは人手による長距離搬送を余儀なくされており、重量物搬送に伴う作業負荷の大きさやフォークリフト利用時の有資格者の確保、および人的コストの高さが大きな課題でした。

導入内容

GROUND株式会社が提供するStandard Robots社製の可搬重量600kgに対応する自律型協働ロボット『Oasis 600C』を導入しました。

物理的なガイド工事が不要な最新の自動運転アルゴリズムを活用し、作業工程間の重量物搬送に加え、出荷エリアでのパレタイズロボットや垂直搬送機との自動連携を実現しています。

導入効果

これまで身体的負荷や人的コストが高かった重量物の工程間搬送を自動化し、各フロアでの商品滞留を解消することで、全体の生産性向上と省人化を実現しました。また、ガイド不要で柔軟なレイアウト変更に対応できるようになりました。

向いている企業

複数階にわたる物流施設や工場を保有し、長距離の重量物搬送における作業負荷や人的コストに悩んでおり、工程間搬送の自動化を進めたい企業に向いています。

成功ポイントまとめ

  • 大きな積載能力を持つ自律型ロボットを活用し、重量物の工程間搬送を自動化した 
  • パレタイズロボットや垂直搬送機と連携させ、タテ・ヨコ方向の搬送を自動化した 
  • ガイド工事を必要としない仕組みにより、レイアウト変更や搬送ルートの変更に対応した

導入時の注意点・前提条件

導入にあたっては、ロボットの最大積載量(600kg等)が自社の扱う重量物に適合しているかの確認が不可欠です。

また、垂直搬送機やパレタイズロボットとのシステム連携にかかる調整や、現場の動線における安全確保、導入コストの精査が必要となります。

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⑩ OTTO Motors

OTTO 1500
引用元:アルテック株式会社

導入前課題

北米をはじめとする工場物流の現場において、慢性的な人手不足や高騰する人件費への対応が急務となる中、従来の固定的なインフラや専用ルートを必要とするAGV(無人搬送車)では、頻繁な工場のレイアウト変更や多品種少量生産に伴う柔軟なルート設定に対応しきれないという課題がありました。

導入内容

北米事例として、自動車業界をはじめとする製造業の工場物流向けに、LIDARセンサーや高度な自律走行アルゴリズム(SDV/AMR技術)を搭載したOTTO Motorsの自律移動プラットフォーム(大型のOTTO 1500や小型のOTTO 100)を導入しました。

専用のインフラ改修を行うことなく、CADやSTEP形式の地図データを活用してボタン一つで走行ルートの変更や柔軟な拡張を可能にする運行管理システムを構築しています。

導入効果

インフラの改修にかかる手間や停止時間を大幅に削減し、製造ラインへの部品配送や仕掛品(WIP)搬送の効率化を実現しました。

また、リアルタイムの稼働データを取得・活用できる運行管理環境を整えたことで、搬送状況の可視化やトレーサビリティ向上につなげています。

向いている企業

自動車業界などの大規模な工場物流や製造現場において、頻繁なレイアウト変更に追われており、特別なインフラ工事なしで柔軟に拡張・運用できる自律移動ロボットの導入を進めたい海外や国内の企業に向いています。

成功ポイントまとめ

  • 固定式のガイドや専用インフラに依存しないAMRを採用し、柔軟な搬送環境を構築した 
  • 複数台のロボットを運行管理システムで管理し、搬送ルートを効率化した 
  • 工場のレイアウト変更や設備増設を想定し、容易に走行ルートを変更できる拡張性を確保した

導入時の注意点・前提条件

導入にあたっては、搬送する荷物の重量やサイズに適合するモデル(積載量に応じた適切な仕様)の選定が不可欠です。

また、変化する現場環境の動線や障害物を正確に認識・回避するためのセンサー性能や、自社システム・LAN環境との連携にかかる事前調整が必要となります。

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用途別におすすめメーカーを見る

導入事例を見る際のチェックポイント

ポイントの文字とボード
引用元:フォトAC

導入事例はそのまま真似しても成功するとは限りません。
AMRの導入事例を参考にする際は、同じ業界の事例だからという理由だけで判断せず、自社の搬送環境や業務内容と照らし合わせることが重要です。

特に搬送物や距離、現場の障害物、人との共存、周辺設備との連携まで確認すると、導入後の運用を具体的にイメージしやすくなります。

業界だけで判断しない

注意マークを指さす手
引用元:フォトAC

AMRの導入事例を見る際は、自社と同じ業界かどうかだけで判断しないことが大切です。製造業の事例でも、工程間搬送や部品供給、台車牽引など用途によって必要な機能は異なります。

たとえば、医薬品工場と一般的な物流倉庫では扱う製品や管理条件が異なりますが、倉庫から製造工程へ荷物を自動搬送するという点では参考になる場合があります。

業界だけでなく、自動化した工程や搬送方法が自社と似ているかを確認することが重要です。

搬送物を見る

山積みの段ボール
引用元:フォトAC

AMRを選定する際は、何を運ぶのかを確認します。搬送物の重量やサイズ、形状によって、必要な積載能力や台車・コンテナとの接続方法が変わります。

また、カゴ台車を牽引するのか、棚やコンテナを搬送するのか、パレットを運ぶのかによって適したロボットも異なります。導入事例では、自社と同じ搬送物を扱っているかにも注目すると、適合性を判断しやすくなります。

搬送距離を見る

ロボットがいる倉庫の様子
引用元:フォトAC

搬送距離も重要なチェックポイントです。短距離の搬送を何度も繰り返す現場と、倉庫から製造ラインまで長距離を搬送する現場では、必要なロボット台数や運行方法が変わります。

搬送回数や時間帯も合わせて確認し、1日にどれだけの搬送が発生しているのかを整理しておくと、導入台数や運用方法を検討しやすくなります。

周辺設備との連携を見る

タブレットを見る作業員
引用元:フォトAC

AMRの導入事例では、ロボット単体ではなく、WMSやエレベーター、コンベア、フローラックなどと連携しているケースがあります。

たとえば、複数階の搬送ではエレベーターとAMRを組み合わせたり、工程間搬送ではフローラックなどを活用したりすることで、人の介入を減らせます。AMRがどの設備と連携し、搬送工程のどこまでを自動化しているのかを確認することが大切です。

導入前チェックリスト

チェック項目確認内容
□ 搬送距離1回あたりの搬送距離や1日の搬送回数
□ 障害物通路上の設備や段差、狭い場所など走行の妨げになるもの
□ 人との共存作業者と同じエリアを走行するか、安全対策
□ WMS倉庫管理システムとAMRの連携の必要性
□ エレベーター複数階を搬送する場合の連携可否
□ コンベアコンベアとの荷物の受け渡しや連携

AMR導入を成功させる流れ

ステップ123と書かれたノートとペンを持つ手
引用元:フォトAC

AMRを導入する際は、最初から大規模な設備投資を行うのではなく、現場の条件を確認したうえで実証し、段階的に導入範囲を広げることが重要です。

現場調査からPoC、本導入、運用範囲の拡張まで段階を踏むことで、導入後のミスマッチを抑えやすくなります。

現場調査

まず、AMRを走行させる現場の状況を調査します。搬送距離や搬送物の重量・サイズ、通路幅、床面、障害物、人との共存エリアなどを確認し、自動搬送に適した環境かを整理します。

あわせて、現在の搬送回数や作業時間、人員配置なども把握しておくと、導入による効果を比較しやすくなります。WMSやエレベーター、コンベアなどとの連携が必要な場合は、既存設備やシステムの仕様も確認します。

PoC

現場調査の結果をもとに、実際の搬送環境でPoC(実証実験)を行います。実際に使用する搬送物や台車を使い、走行性能や荷物の受け渡し、人との共存、安全性などを確認します。

PoCでは、想定した搬送時間や搬送回数を実現できるかだけでなく、障害物への対応や周辺設備との連携など、現場で発生する条件も検証することが重要です。

本導入

PoCで自動化の実現性を確認したら、本導入へ移行します。導入するAMRの台数や走行ルート、充電設備、システム連携などを具体化し、現場の運用に組み込みます。

本導入後は、搬送時間や稼働率、停止回数などのデータを確認し、想定していた導入効果が得られているかを検証します。必要に応じて走行ルートや運用方法を調整することも大切です。

拡張

本導入で安定した運用を確認できたら、別の工程やフロアへの拡張を検討します。搬送対象を増やしたり、WMSや生産管理システムとの連携を進めたりすることで、より広い範囲の自動化につなげられます。

また、エレベーターやコンベア、フローラックなどの周辺設備と連携することで、AMRによる搬送だけでなく、荷物の受け渡しまで含めた工程全体の自動化も目指せます。

よくある質問

よくある質問Q&Aと書かれたブロック
引用元:フォトAC

AMRの導入を検討する際は、費用や導入効果だけでなく、AGVとの違いやPoCの必要性、補助金の利用可否も確認しておくことが大切です。

特に費用や補助金は、導入する機種や企業規模、申請する制度によって変わるため、個別に確認する必要があります。

Q AMR導入費用はいくら?

費用と書かれたブロック
引用元:フォトAC

AMRの導入費用は、ロボット本体だけでなく、台数や搬送用アタッチメント、充電設備、システム連携、周辺設備などによって大きく変わります。そのため、一律に「1台いくら」と判断するのではなく、導入する工程全体で見積もることが重要です。

また、AMRだけでなく無人搬送車や無人フォークリフトなども含め、導入する設備によって費用は異なります。

例えば2026年の中小企業省力化投資補助金の製品カタログでは、無人フォークリフトの価格・導入費用の目安として1,000万~2,000万円とされています。

Q どれくらい効果が出る?

導入効果は、搬送距離や搬送回数、作業時間、人員配置などによって異なります。代表的な効果としては、搬送作業の省人化、作業者の負担軽減、搬送時間の短縮、夜間運用による稼働時間の拡大などが挙げられます。

導入前後の搬送時間や人員、搬送回数などを比較すると、導入効果を具体的に把握しやすくなります。人件費だけでなく、安全性や生産性、設備の柔軟性なども含めて投資対効果を評価することが重要です。

Q AGVでもいい?

AGVでも搬送の自動化は可能ですが、現場環境によってAMRと使い分ける必要があります。

AGVは磁気テープなどのガイドや決められたルートに沿った搬送に向いている一方、AMRは周囲の状況を認識しながらルートを変更できるため、人や障害物が存在する環境やレイアウト変更が多い現場に適しています。

そのため、搬送ルートが固定されている場合はAGV、柔軟なルート変更や人との共存が必要な場合はAMRというように、現場の条件から選ぶことが大切です。

Q PoCは必要?

PoCは必須とは限りませんが、初めてAMRを導入する場合は実施を検討する価値があります。実際の搬送物や台車を使って、走行できるか、荷物を適切に受け渡せるか、人や障害物との共存が可能かなどを事前に確認できます。

特に、WMSやエレベーター、コンベアなどとの連携を予定している場合は、実際の環境で検証することで、本導入後のトラブルを抑えやすくなります。

Q 補助金はある?

AMRや自動搬送設備の導入に活用できる可能性がある補助制度があります。

2026年には、中小企業の省力化投資を支援する「中小企業省力化投資補助事業(一般型)」が実施されており、業務プロセスの自動化・高度化やロボットを活用した設備導入などが対象となっています。

また、国土交通省の「物流効率化推進事業」では、省人化・自動化に資する機器導入などを対象とする枠も設けられています。

ただし、AMRなら必ず補助対象になるわけではありません。対象となる設備、企業規模、事業内容、申請時期などの条件があるため、導入前に最新の公募要領を確認することが重要です。

まとめ

まとめと書かれた緑の紙
引用元:フォトAC

本記事では、物流・製造業におけるAMR導入事例10選を紹介しました。工程間搬送やピッキング、台車牽引、重量物搬送など、AMRはさまざまな用途で活用されています。

導入を成功させるには、搬送物や搬送距離だけでなく、WMSやエレベーター、コンベアなど周辺設備との連携も含めて検討することが重要です。PoCで実際の運用を確認し、自社に適したAMRを選定してください。

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