ロボットアームの種類と特徴~AMRとの連携で作業効率アップ | 搬送ロボットガイド
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ロボットアームの種類と特徴~AMRとの連携で作業効率アップ
公開:2024.01.28 更新:2024.10.07ロボットアームには、垂直多関節ロボット、スカラロボット、パラレルリンクロボット、直交ロボットの主要な種類があります。これらのロボットアームに加え、AMRやAGVなども物流や製造業界で広く使用されています。
目次
ロボットアームの主な種類と特徴
垂直多関節ロボットは4〜6軸の垂直関節で多用な操作に対応します。スカラロボットは水平移動が得意でパラレルリンクロボットは高速でメンテナンスが容易であるのが特長です。また直交ロボットは直線運動を得意とています。
◇垂直多関節ロボット
垂直多関節ロボットというのは、複数の関節(ジョイント)が垂直に配置されているロボットアームのタイプのことです。「シリアルリンクロボット」と呼ばれることもあるこのタイプのロボットは、4〜6軸で構成されており、上下方向への運動が容易に実現でき、立体的な操作や位置合わせが可能です。
各関節が独立して動くため、人の腕の動きに近い動作が可能で、複雑な軌道や運動パターンを生成できます。垂直多関節ロボットは、食品の包装および処理などといった産業用途の他に、医療・研究用途にも用いられています。
◇スカラロボット
スカラは「Selective Compliance Assembly Robot Arm robot」の頭文字「SCARA」に由来する名称で、アームが水平方向に動くのが特徴です。「水平多関節ロボット」とも呼ばれているスカラロボットは、高速で精密な組み立て作業に使用されています。
工業用途がメインで、直交座標系の動きに優れており、垂直方向への運動に対して剛性があります。
◇パラレルリンクロボット
パラレルロボットは、複数の平行リンク(リンクと関節)から構成されるロボットアームのことです。平行リンクは、基底部とエンドエフェクタを連結する一連のリンクと関節から成り立っており、高速な動作と高い動力伝達効率を実現することができます。
メンテナンスが容易であるというメリットがあり、航空宇宙産業や医療分野などでも活躍しています。
◇直交ロボット
直交ロボットは「ガントリーロボット」とも呼ばれており、リンクが直交するスライド軸上を動くため、高い精度とリピート性で直線運動を実現します。
高い荷重容量を持つため、大型部品などの取り扱いに適している他、低コストで導入できる点がメリットです。
直交ロボットは自動組み立てラインで使用される他、3Dプリンティングの操作にも利用されています。
アーム以外の現場で使える便利なロボット
アーム以外にも、AMRやAGVなど、さまざまな現場で活用できる便利なロボットがいくつかあります。
◇AGV(自動搬送ロボット)
自動搬送ロボットAGVは「Automatic Guided Vehicle」の頭文字を取ったもので、「無人搬送ロボット」と呼ばれることもあります。床に設置された磁気テープやQR、レーザー、超音波、反射マーカーなどのガイドに沿って正確な移動を実現するのがAGVの特徴です。
AGVはセンサーと安全機能を備えており、障害物や人との接触を避けるための安全対策が組み込まれています。生産設備内での物品の効率的な運搬に利用されており、生産性向上と作業の合理化に貢献しています。コラボレーティブロボットとして使用できるモデルもあります。
◇GTP(棚流動型ロボット)
TPというのは「Goods To Person」の頭文字で、「自動棚搬送ロボット」と呼ばれることもあります。「モノを人へ」という言葉通り、物品を棚ごと運んできたり、棚から必要な物品を運んできたりしてくれるため、これまでピッキングに必要とされていた時間を大幅に削減できます。
誤ったピッキングや商品の破損のリスクを軽減できると同時に、狭いスペース内で多くの商品を収納できるため、倉庫のストレージ効率を向上させるにも役立ちます。
GTPは、物流業界や倉庫管理に広く活用されています。
◇AMR(協働型搬送ロボット)
AMRは「Autonomous Mobile Robot」の頭文字で、「自律走行搬送ロボット」などとも呼ばれています。ガイドに従って走行するAGVとは異なり、自律的に走行できる点が特長です。
センサーやカメラ、レーダー、LIDAR(光学的リモートセンシング装置)などを備えており、周囲の環境を認識し、地図を作成し、障害物を回避しながら自律的に移動してタスクを実行できます。
障害物回避の性能に優れており、作業環境での衝突や事故を防ぎ、人との安全な共存を最優先しながら作業をこなします。
AMRは物流や製造以外に、ヘルスケア、建設、農業などの分野で幅広く利用されています。
ロボットアーム付きAMRの利点と課題
次世代のAGVとも呼ばれる最先端機種のロボットアーム付きAMRには、数多くの利点があると同時、課題や注意点も存在します。
◇ロボットアーム付きAMRの利点
ロボットアーム付きAMRは自立的に移動し、環境を認識して障害物を回避しながら作業を行うため、従来のベルトコンベアや固定型ロボットに比べて柔軟性が高いのが利点です。
新しいタスクや環境にもすぐに対応でき、必要に応じて配置を変更したり、生産ラインの再構築が簡素化させたりすることも簡単です。ロボットアーム付きAMRを導入することによって、作業者はより高度なタスクに集中でき、作業環境の安全性も向上します。
◇導入に際しての注意点と課題
ロボットアーム付きAMRを導入するにあたっては、高額な初期投資が必要です。また、ロボットアームのプログラミングと運用には高い専門知識が必要となるため、適した人材のトレーニングとスキル向上も欠かせません。
◇ロボットアーム付きAMRの導入事例
ロボットアーム付きAMRは、倉庫・物流センターにおける商品のピッキングと運搬において、効率的な物流処理を実現しています。また、農業の分野では農場での作物の収穫や植え付け、草刈りなどに使用され、労働力の不足に対処しています。
ロボットアームにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴があります。
垂直多関節ロボットは、垂直に配置された複数の関節から成り立ち、4〜6軸を持っています。このタイプのロボットは上下方向への運動が容易で、立体的な操作や位置合わせが得意です。各関節が独立して動くため、複雑な運動パターンを生成することができます。そのため、食品包装や医療分野などで広く使用されています。
スカラロボットは水平方向にアームが動く特徴を持っており、高速かつ精密な組み立て作業に適しています。主に工業用途で使用され、直交座標系の動きに優れています。また、垂直方向への運動に対して剛性があります。
パラレルリンクロボットは複数の平行リンクから成り立ち、高速な動作と高い動力伝達効率を実現します。メンテナンスが容易で、航空宇宙産業や医療分野などで使用されています。
直交ロボットはリンクが直交するスライド軸上を動くため、高い精度とリピート性で直線運動を実現します。荷重容量が高いため、大型部品の取り扱いに適しています。自動組み立てラインや3Dプリンティングの操作にも使用されています。
これらのロボットアームに加えて、AMRやAGVなどの便利なロボットも存在し、物流や製造業界などで幅広く活用されています。