AMRロボットの一般的な速度は?高速AMRロボットの魅力と安全性 | 搬送ロボットガイド
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AMRロボットの一般的な速度は?高速AMRロボットの魅力と安全性
公開:2024.01.28 更新:2024.10.07
AMRの速度は秒速1~3mで、高速AMRは生産性向上に寄与しますが、安全性も考慮が必要です。高速AMRは作業効率を高め、人と協業できる安全性を持ち、作業者の負担を軽減します。要素の総合的な評価が必要で、選択には速度以外にも積載重量、ダウンタイム率、使いやすさ、価格などを考慮すべきです。
目次
AMRロボットの速度はどれくらい?一般的な速度と安全性
AMRを導入するにあたっては、AMRロボットの速度も生産性を向上させるための大きな要素です。また、安全性も加味した上でどんなタイプの機種を選ぶかを決定しなければなりません。
◇AMRロボットの一般的な速度について
AMRロボットの速度は、そのタイプや用途によって異なりますが、平均すると秒速1~3m(時速3.6~10.8km)のものがほとんどです。速度は搬送物の重量によっても変動し、機種によってはコーナーでの減速の度合いがかなり違うことがあります。人間の走る速度が毎秒4m前後ですから、秒速3mのAMRは高速の部類に入ります。
AMRを使用する敷地の面積やレイアウトも考慮した上で、適切な速度を選択する必要があります。
◇高速AMRは安全性も重要
AMRの速度が速ければ速いほど、生産性は向上しますが、安全性との兼ね合わせを考えると、超高速のAMRは実用的ではありません。
日本工業規格(JIS)では、無人搬送車の安全通則を細かく定めています。これによれば、人と共用する通路では、「無人搬送車の走行速度は障害物を検出して速やかに停止できる速度を超えてはならない」と明記されています。
高速AMRは、中央コントロールシステムとリアルタイムで通信し、位置情報や動作ステータスを共有しています。緊急事態が発生した場合には、迅速に対応するための通信手段が提供されます。
さらに、AMRは緊急時に速やかに停止できるセーフティーストップ機能を備えています。その他、AMRが高速で移動する区域では安全ルートを事前に計画するといった工夫も必要でしょう。
高速運搬可能なAMRロボットと利点

最近では、高速で対象物の運搬が可能なAMRも現場で数多く活躍しています。最新機種の速度や導入には、それなりの利点があります。
◇秒速2Mで運搬可能
高速運搬が可能なAMRロボットを導入すれば、物品の搬送スピードをアップさせることができます。AMRロボットは自律的にタスクを実行することができるため、作業効率を向上させ、生産プロセスを迅速化できます。
最近、人気の高いAMRロボットの多くは秒速2mで物品を搬送できるため、多くの企業が高速AMRを導入しています。
◇人との協業が可能な安全性の高さ
決められたルートしか移動できないAGVとは違い、AMRは人と同じ空間を移動し、人と連携して働くツールです。そのため、AMRの速度と合わせて、人との協業が可能な安全性を重視することが必要不可欠です。
AMRはレーザーによるセンサーを使用して周囲の物体を認識し、走行します。中にはかなりの重量物を積載して走行するAMRをもあり、さまざまなリスクを想定した上で安全性を確立しなければなりません。
このため、AMRには人との協業を考慮したヒューマンフレンドリーなデザインが取り入れられています。安全な形状の他に視覚的な表示と音声警告、あるいは動作の予測可能性など、人との共同作業を支援する要素が取り入れられています。
◇作業者の負担軽減につながる
AMRの導入は、作業者の負担軽減に大きく貢献します。高速AMRは休憩や睡眠の必要がないため、24時間体制で運用できます。このため、生産ラインや倉庫の作業を連続して行えます。
また、単純かつ危険な運搬タスクをAMRによって自動化することによって、作業者は高度なタスクに集中できるというメリットもあります。
重い物品の運搬や持ち上げ、負荷の大きい作業をAMRに任せられるだけではなく、商品のピッキングなどにおいて人為的ミスを排除できるのもAMRの特長です。
速度以外のAMR生産性を左右する要素
AMRの生産性を判断する上では、速度以外に積載重量やダウンタイム率、使いやすさ、さらに価格などといった要素にも留意することが大切です。
◇積載重量
自動搬送ロボット(AMR)を選ぶ際には、速度はもちろんのこと、積載重量などの要素にも目を向けることがポイントです。物品を運ぶにあたっては、一度に運べる量が多ければ多いほど、AMRが往復する回数が少なくなり、効率性が上がります。積載重量が大きいAMRは、生産ラインや物流プロセスのスループットを向上させることができます。
とはいえ、最大積載重量は、どのようなタスクに使用するかによって異なってきます。軽量なAMRは小さな物品の運搬に適している一方、大容量のAMRは重い貨物を効率的に運ぶことができます。
積載重量を適切に設定することによって、AMRの運用に必要なロボット数も最適化できます。
◇ダウンタイム率
ダウンタイム率は、AMRの可用性と効率を評価する際に重要な指標のひとつです。充電時間や保守作業とメンテナンス、ソフトウェアアップデートのために要する時間は、AMRを適切な状態で使用するために必要不可欠です。
これ以外に、ハードウェアが故障した場合の修理時間やソフトウェアのバグ・プログラムエラーがAMRのダウンタイムを引き起こすことも考えられます。
ダウンタイム率を最小限に抑えるためには、トラブルシューティングの迅速な対応とソフトウェア管理、予測保守、的確なバッテリー管理などが必要です。
◇使いやすさや価格も確認
AMRの使いやすさや価格も、忘れずに確認しましょう。どんなに高性能のAMRでも、現場で使いにくければ、期待通りの生産性を得ることはできません。
価格に関しては、高性能なセンサーや高速移動機能、大容量バッテリーなどといった高度な機能を持つAMRは、価格が高くなりますので、予算とのバランスを取ることが重要です。
製品選択の際の参考には、これらの要素を比較検討し、ニーズに最も適した機種を導入することが大切です。
AMR(自律型搬送ロボット)の速度と安全性は導入に際して重要な要素です。一般的なAMRの速度は秒速1~3mで、用途や搬送物の重量によって異なります。速度選択には敷地の面積やレイアウトを考慮する必要があります。
高速AMRは生産性向上に寄与しますが、安全性も考慮する必要があります。日本工業規格によれば、AMRは通路で速やかに停止できる速度を超えてはならないと規定されています。高速AMRは安全ルートの計画やセーフティーストップ機能が必要です。
高速AMRの導入には多くの利点があります。秒速2mで運搬でき、生産性を向上させます。また、人との協業に適しており、安全性が高いです。作業者の負担軽減や高度なタスクへの集中も可能です。
速度以外にも積載重量やダウンタイム率、使いやすさ、価格などがAMRの生産性に影響を与えます。これらの要素を総合的に考慮し、ニーズに合ったAMRを選択することが重要です。
