AMRは自動・自律が可能!適している現場と導入のポイント | 搬送ロボットガイド
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AMRは自動・自律が可能!適している現場と導入のポイント
公開:2023.11.28 更新:2024.10.08
AMRとは、自動・自律が可能な高性能ロボットです。導入時にはその特徴と適した場面、導入時の注意点を理解して導入することが必要です。AMRは自動化と効率化を追求する現場に適しており、導入に際しては計画的なアプローチが求められます。
目次
AMRは自動・自律が可能な高性能ロボット
誘導体なしで稼働が可能
近年労働人口の減少や高齢化などで、どの企業においても人材の確保が難しいといわれています。そこで注目されているのが、自動搬送ロボットによる搬送の自動化です。この自動搬送ロボットには、従来からあるAGVと新たに開発されたAMRがあります。
例えばAGVは、磁気テープやランドマークなどの誘導体によって決められたルートを走行するロボットです。一方AMRは、磁気テープやランドマークなどの誘導体が必要ありません。
その理由として、AMRの場合、自己位置推定と環境地図作成を同時に行うSLAM(スラム)と呼ばれる最新機能を搭載しているからです。そのため磁気テープやランドマークなどの新規設置や交換・メンテナンスが不要になります。
人との作業エリアを分割せず協業ができる
AMRは、作業中の人やルートに障害物を認識すると停止や回避をしながら目的地に向かうことができます。そのため、作業者と作業エリアとを分けて運用する必要もありません。作業者の隣であってもAMRによる自動搬送ができるので、作業者との協業や協働が可能となるのです。
作業場のレイアウト変更にも柔軟に対応できる
製造現場では、新規品の製造に伴って製造工程や現場のレイアウトの変更が行われることがあります。その際に、従来のAGVであれば磁気テープなどの誘導体の張替えが必要になります。それに比べてAMRは、環境地図を再作成や目的地の再設定だけで、すぐに自動搬送が可能となります。そうしたレイアウト変更にも柔軟に対応できるというメリットもあります。
AMRの自動・自律機能が適している場面とは?
製造業の工場
AMRの自動・自律機能が適している場面の一つとして、製造業の工場があげられます。製造工場の場合、資材の搬送などは人による作業がメインとなっています。したがってAMRを導入することで、人件費の削減や業務の効率化が可能となります。さらにはAMRの上部にアームロボットを取り付けることで、移動しながら作業ができるため早急な導入が検討されています。
物流業の倉庫
近年インターネットを通した通信販売を利用するユーザーが多くなりました。それは新型コロナ前もそうですが、新型コロナ以降はさらに需要度合が加速化しています。それに伴い物流業の倉庫では、配送先やお客さんの注文内容なども複雑化しているため、ミスをせずに効率化や労務コストの削減が最大の課題となっています。そうしたことからAMRを導入することで業務の自動化が早急に必要とされています。
人と協働しレイアウトや工程の変更が多い職場
AMRは、AGVのような磁気テープやランドマークなどの誘導体が不要です。その上、例え作業をしている人が隣にいても作業エリアを分けたりする必要もありません。協働・協業が可能なのです。さらには新規製品の立ち上げに伴うレイアウトや工程変更も容易なので、そうしたAMRのメリットを生かせる職場では大いに威力を発揮することができるでしょう。
AMRには注意点もある?導入に際して押さえておきたいポイント
AMRと人との作業分担を明確にする
AMRを導入する際には、AMRと作業者との作業分担を明確にした作業フローを事前に作成しておく必要があります。ちなみに作業フローとは、作業の流れの図式化や可視化したものです。そうすることで作業者や責任者間で作業内容の共有化や効率化が可能となります。
さらにAMRの導入により作業者の移動距離も短くなるため、AMRロボットが到着するまでの待機時間が発生したら逆に効率が悪くなります。そうしたことから作用フローを作成することで、AMRロボットと作業者とが無駄なく作業を効率的に行える仕組みを構築することも大切です。
トラブル発生時に備えたマニュアルを整備する
近年多くの企業では、従来からの紙ベースの資料が電子データに書き換えられました。それと同時に業務内容の指示や発注もパソコンで行われています。そのためパソコンのトラブルが発生した際には、業務が中断するということも起こり得る話です。それは、AMRにおいても同様のことがいえます。
万が一、AMRに何らかのトラブルが発生した際にも、トラブル時に備えたマニュアルを事前に作成整備しておく必要があります。それこそ製造ラインや倉庫の出荷作業が中断しないような対策、あるいはサポート体制の整備もAMRの導入時の注意点といえます。
導入後も検証を定期的に行う
AMRの導入が無事に済んだら、それで終わりではありません。導入後においても、定期的に導入効果の確認や検証が必要です。例えば製造ラインや倉庫の作業者に意見を伺いながら、何らかの問題があればすぐに改善することも大切です。あるいは導入効果が本来の期待にそぐわない場合には、AMRの導入台数や可動範囲の見直しなども必要になります。
またAMRの導入費用については、サブスクリプション型のサービスもあります。すぐに導入効果が出ない場合には、サブスクリプションサービスを利用しながら検証を継続するという方法もあります。
自動・自律が可能な高性能ロボットであるAMRについて、その特徴と適した場面、導入時の注意点を理解して導入することが必要です。AMRはAGVと異なり、誘導体なしで稼働可能であり、環境地図作成と自己位置推定を行うSLAM技術を使用しています。そのため、誘導体の設置や交換が不要です。また、AMRは人との協業が可能で、作業エリアの分割が不要です。さらに、作業場のレイアウト変更に柔軟に対応できます。
AMRは製造業の工場、物流業の倉庫、作業場のレイアウトや工程の変更が多い場所に適しています。製造業では人件費削減と効率化が可能であり、物流業では効率化や労務コスト削減が課題とされています。また、AMRの導入に際しては、作業フローの明確化やトラブル時のマニュアル整備、定期的な検証が必要です。 AMRは自動化と効率化を追求する現場に適しており、導入に際しては計画的なアプローチが求められます。
