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AMRロボット導入の安全対策は必須!具体的方法や導入の注意点 | 搬送ロボットガイド

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AMRロボット導入の安全対策は必須!具体的方法や導入の注意点

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公開:2024.01.27 更新:2024.10.07

画像出典:ASPINA

AMR(自動搬送ロボット)の導入は、安全対策が不可欠です。AMRの導入に際しては、まずリスクアセスメントを行い、潜在的な危険要因を特定しましょう。障害物回避のセンサーや緊急停止スイッチなどの安全装置を備え、適切な制御アルゴリズムを使用した安全設計が必要です。

AMRロボット導入に安全対策は必須

AMR機器の導入を検討する際には、業務面の性能だけではなく安全対策にも十分配慮する必要性があります。自動化技術を導入する際、作業環境や周辺機器との調和、作業者の安全確保が大きな懸念事項となります。

◇自動搬送ロボットの導入は進んでいる

多くの製造現場や倉庫管理システムにおいて、最近、自動搬送ロボットの導入が進んでいます。物品や材料を自動的に運搬するロボットを導入することにより、作業効率を向上させ、人的エラーや運搬のコストを削減することができます。また、人手不足の問題を解消するためにも自動搬送ロボットが役立ちます。

◇生産性と安全性の両面を確保

AMRロボット導入に関しては効率性が大きくクローズアップされていますが、現場では生産性と共に安全性を確保することが大切です。AMRを安全に運用するためのポイントとして重要なのが、国際規格「ISO3691-4」です。

国際規格「ISO3691-4」は自動搬送ロボットとシステムの安全対策に関するノウハウを網羅したもので、この規格に則り、安全対策を策定することによって、安全化をスピーディーに進めていくことができます。


また、安全性と生産性のバランスを取るためには、技術的な評価だけでなく、人的要因や環境の考慮も重要です。協議と協力を通じて、最適なソリューションを見つけ、AMRロボットを安全かつ効果的に活用することが求められます。

◇リスクアセスメントの重要性

リスクアセスメントは、設備やシステムを運用する前に、その中に潜む様々な危険要因や危険な動作を特定し、それらが労働災害を引き起こす可能性を予測し、その危険度を評価するプロセスです。そして、それらの危険要因から生じる事故を防ぐための対策を優先的に講じるための手法です。

現代では、多様な設備や技術が使用され、それに伴って危険性や有害性も多様化しています。そのため、どの要素がリスクを構成し、どれが最も重要なのかを明確にし、それに対処するための計画を立てることが非常に重要です。

特に、AGVやAMRなどの自動化ロボットが人間と同じ領域で作業する場合、リスクアセスメントは欠かせません。安全性と生産性の両面を確保するために、製造業者、エンドユーザー、および関連する専門家が協力してリスクアセスメントを行う必要があります。これにより、潜在的な危険要因を特定し、それに対処するための対策を検討し、労働環境をより安全にすることが可能となります。

安全対策におけるリスクアセスメントとは

画像出典先:フォトAC

AMRロボットのリスクアセスメントは、ロボットの安全性を確保し、適切な運用を行うために重要です。AMRロボット導入にかかる費用は決して安いものではありませんので、リスクアセスメントをしっかりと行い、効率を高めたいものです。

◇ロボット使用の制限に関する決定を行う

ロボットや周辺機器の使用範囲を決定することは、作業領域や作業範囲を制限するために必要です。使用範囲は、ロボットがどのエリアで動作し、どのエリアにアクセスできるかを定義します。これにより、ロボットが予期せぬ場所に進入することを防ぎ、作業エリア内での安全を確保します。

設置環境には、床の状態、周囲の障害物、温度、湿度、爆発性の物質などが含まれます。これらの要因を考慮して、ロボットが安全に運用できるようにするための制約や対策を決定します。

また、ロボットの稼働時間を設定することは、エネルギーの効率的な利用やメンテナンスの計画に役立ちます。制限された作業時間内でロボットを活用することで、バッテリーの寿命を延ばし、必要な充電やメンテナンスを行う時間を確保できます。

◇AMR導入時の危険源を見極める

AMRが他のロボット、障害物、または人と衝突する可能性があります。これは、通路が狭い場所や交差点で特に起こりやすい危険です。走行速度を制限し、適切なセンサーやカメラを使用して周囲の障害物を検知し、衝突を防ぐ対策を講じることが必要です。

また、AMRが荷物や材料を運搬する場合、積載物が落下する危険があります。急な停止や急カーブを取る場合、積載物が転倒する可能性も考えられます。安全な積載方法や運搬速度の制限を設けて、積載物の安定性を確保します。

さらに、AMRのセンサーやカメラが正常に動作しない場合、障害物や人を検知できない可能性があります。センサーの定期的な点検と保守が必要であり、不具合が発生した場合には自動的に停止する安全機構を備えることが重要です。

AMRが作業者と同じエリアで作業する場合、接触事故の危険があるため、作業者の位置を正確に把握し、必要に応じて速度を制限したり、安全な距離を保つようにプログラムする必要があります。また、警告灯や音響警報装置を設けることも考えられます。

◇リスク見積もり・評価

危険源を特定したら、それぞれのリスクについて発生確率と重大度を評価します。これには、リスクの発生頻度や影響の度合い、および制御可能性なども含まれます。


リスク見積もりに関しては、「重篤度(被災の程度)」「発生の可能性の区分と評価の点数」「危険性又は有害性に近づく頻度の区分と評価の点数」の3つの項目で点数を付ける方法が採られています。


リスク見積もりの結果によって、リスクを段階評価します。AMRは可動領域を人と共有していますので、リスクアセスメントは非常に重要です。リスクの評価を行った後は、最後にドキュメンテーションとコミュニケーションによってリスクが適切に低減できたかどうかを確認しましょう。

リスクアセスメントの結果を文書化し、関係者と共有します。これにより、リスク評価の進行状況や対策の状況を追跡し、適切なコミュニケーションを確保することができます。

AMRを安全に導入するための注意点

AMRを安全に導入するためには、リスクアセスメントを実施して潜在的な安全リスクを特定・評価をすると同時に、AMRの安全性と生産性・使いやすさに注目しなければなりません。

◇安全性は最優先に考える

AMRロボットを選ぶにあたっては、安全性を最優先に考えることが大切です。人と連携して働くツールですので、万が一、人やモノと接触した際に、適切に停止したりバックしたりなどの望ましい対処ができるかどうかを検討する必要があります。また、センサーの感度と精度も重要なポイントとなってきます。


障害物回避のセンサーや緊急停止スイッチが備わっているかどうか、不正確な動作や事故を防ぐために、適切な制御アルゴリズムを使った安全設計がなされているかどうかなどもチェックすべき項目です。

◇生産性・使いやすさを確認

AMRを導入するからには、生産性が高くなければ意味がありません。一度に運べる荷物の重量が大きければ効率が上がりますし、車両スピードも直接生産性に反映します。また、充電時間やハードウェアの故障などによるダウンタイム率も計算しなければなりません。


AMR(自動搬送ロボット)の導入には、業務効率向上だけでなく、安全対策が不可欠です。自動化技術の導入時、作業環境や周辺機器との調和、作業者の安全確保が重要視されます。最近、製造現場や倉庫管理システムでAMRの導入が進んでおり、これにより作業効率向上や人的エラー削減、人手不足の解消が可能です。しかし、安全性も考慮しなければなりません。

AMR導入において、ISO3691-4規格の遵守が重要で、安全性を確保します。技術評価だけでなく、人的要因や環境も考慮し、協議と協力を通じて最適なソリューションを見つける必要があります。

リスクアセスメントも不可欠で、危険要因や事故予測を特定し、対策を講じます。安全対策にはセンサー、緊急停止スイッチ、制御アルゴリズムなどが含まれ、安全性を確保する必要があります。生産性も重要で、運搬能力や速度、ダウンタイム率を計算し、効率的な運用が求められます。

AMRの導入は安全対策と効率性のバランスを取りながら、リスクアセスメントと適切な対策を行い、安全かつ効果的に行う必要があります。