AMRで使用されるAI技術とは?進化するAI技術 | 搬送ロボットガイド
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AMRで使用されるAI技術とは?進化するAI技術
公開:2024.02.28 更新:2024.10.07
AI搭載ロボットはセンサーとAI技術を組み合わせて、家事や農業、AMRなどで活躍しています。凸版印刷と東京農工大学は複数のロボットの行動を最適化するAI技術を共同研究し、物流倉庫の効率化を目指しています。一方、ラピュタロボティクスは群制御AI技術を提供し、異なる種類のロボットを一括して運用できます。
目次
AMRにも使用されるAI技術とAI搭載ロボットについて
AI搭載ロボットは、センサーとAI技術を組み合わせて周囲の環境を認識し、適切な行動を実行します。家事や接客、農業など様々な分野で活躍しています。AMRにもAI技術が使用されており、自己位置推定や経路最適化などに役立っています。センサーデータと地図データを活用し、障害物を回避しながら効率的に移動します。
◇AI搭載ロボットとは
AI搭載ロボットは、さまざまな用途に使用されています。センサーを備えているため、データ解析や機械学習などのAI技術を活用して周囲の環境を認識し、判断を行い、適切な行動を実行します。
センサーには2D/3Dカメラや振動センサー、加速度計、近接センサー、環境センサーなどの種類があり、センシングデータを分析し、リアルタイムで行動に移せます。
AI搭載ロボットには、接客業務を補助するロボットや家事を行うAIロボットの他に、人を癒すAIロボット、農業で使用されるAI搭載ドローンなどがあります。
◇AMRにも使用されるAI技術
AMRにも、さまざまなAIロボット技術が使用されています。主なAI技術は自己位置推定やセンサーフュージョンおよび環境認識、パスプランニングと経路最適化、行動決定と制御などです。これらはAMRが環境変化に適応して安全な移動と作業を実現するために役立っています。
AMRにはカメラや超音波センサー、レーザースキャナーなどのセンサーが搭載されており、センサーから得られた情報を分析・統合して周囲の環境を認識します。これによって障害物や作業領域を検出し、適当な行動を行えます。
センサーデータと地図データを使用すれば、AMRは自己位置を推定することも可能です。
さらに、目的地に到着するための最適な経路を計画するために、AI技術を使用して交通量や障害物、作業優先度などの要素を取り入れ、タスクを実行します。
AIは学習アルゴリズムを使用することで、過去の経験やフィードバックを活用して行動を改善できます。
AI技術の更なる進化を目指した取り組み
凸版印刷株式会社と東京農工大学は、2023年8月に共同研究を開始しました。この研究では、複数のロボットの行動を最適化するAI技術を開発し、マルチエージェントシステムを活用して人とロボットの協働を実現します。目標は、AMRの作業効率を向上させることで、物流倉庫のピッキング作業などでの有益性を検証します。
◇共同開発の経緯
凸版印刷株式会社と東京農工大学は、複数のロボットの行動を最適化するAI技術のアルゴリズムに関する共同研究を開始することを2023年8月に発表しました。この共同研究の特徴は、人とロボットの協働に向けてマルチエージェントシステムを活用することにあります。
複数の自律的ロボットをAIカメラおよび各種センサー、スマートフォンなどのエッジデバイスと連携させることによって、人の行動を予測するだけではなく、さまざまな状況の変化にも対応させる技術を確立するのが研究の目的です。
◇マルチエージェントシステムとは
人と協働できるロボットのニーズが高まる中、この共同研究では「マルチエージェントシステム(MAS:Multi-Agent System)」と呼ばれるAI技術に注目し、研究を進めています。
マルチエージェントシステムというのはAI技術の手法のひとつで、自律動作する複数のロボットや人が相互に連携・協調し、全体的な最適性を図りながら、高度なタスクを実行させていくシステムのことです。
◇研究の目標と現状
作業の効率化を図るためのAMRですが、現場では人とロボットがお互いに作業の妨げになっているといった場面も少なくありません。
研究では、AMRやスマートフォンなどのエッジデバイスで動作するAIを開発し、複数のAMRやスマートフォン間で共有した情報を利用できるような仕組みを作り上げます。それぞれのAMRが自律的に状況を判断し、最も適切な移動経路をリアルタイムで選択できるようにするのが研究の意図です。
開発した技術については、物流倉庫のピッキング作業で成果を検証し、補助ツールとしての有益性を検証することが予定されています。
凸版印刷では、倉庫におけるAMRの経路最適化システムを自社で利用する他、システムを外販することを想定しています。
AI技術で先行するラピュタロボティクス
ラピュタロボティクスは、次世代の物流ロボティクスを提案する企業です。群制御AI技術を用いて、異なる種類のロボットを効率的に運用できるようにしています。
◇AI技術で物流現場の課題に向き合うラピュタロボティクス
ラピュタロボティクスは、現場になじむ次世代の物流(倉庫)ロボティクスを提案している企業です。自律移動ロボットの開発によって、効率的で柔軟なロボットの運用を目指しています。
◇ラピュタロボティクスの群制御AI
ラピュタロボティクスの群制御AIは、異なる種類のロボットを一括して運用できる技術です。
例えばAMRとフォークリフト、ロボットアーム、ハンドリフトが倉庫内で作業をする際に、ロボット間の安全な距離や各ロボットの能力などを考慮して、各ロボットが最適な結果を出せるように自分で考えて行動できます。
ラピュタロボティクスでは100台や1,000台規模のロボットの群制御にも成功しており、作業の効率化が期待されています。
AI搭載ロボットは、センサーとAI技術を組み合わせて周囲の環境を認識し、適切な行動を実行します。この技術は家事や接客、農業など多岐にわたる分野で活躍しており、その中にはAMR(自律移動ロボット)も含まれます。
AMRは自己位置推定や経路最適化などのAI技術を活用して、障害物を回避しながら効率的に移動します。
さらに、凸版印刷と東京農工大学の共同研究では、マルチエージェントシステムを活用して、複数のロボットの行動を最適化するAI技術の開発を進めています。この研究では、AMRの効率化を図り、物流倉庫などでのピッキング作業などでの有益性を検証することが目指されています。
一方、ラピュタロボティクスは、AI技術を駆使して物流現場の課題に向き合っています。その中でも群制御AI技術を提供し、異なる種類のロボットを一括して運用できます。
例えば、AMR、フォークリフト、ロボットアーム、ハンドリフトなどが倉庫内で作業を行う際に、安全な距離や各ロボットの能力などを考慮して、各ロボットが最適な結果を出せるように自律的に行動します。このような技術を用いることで、物流現場の効率化が期待されています。
