段差のある環境でも対応できるAMRとは?様々なタイプを解説 | 搬送ロボットガイド
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段差のある環境でも対応できるAMRとは?様々なタイプを解説
公開:2024.06.28 更新:2024.06.28
AMRは自動で障害物を避けながら移動する自律型ロボットで、倉庫や工場、飲食店などで利用されています。DANDY AUTO PILOTはロッカーボギー機構で段差やスロープを安定して走行可能。EffiBOTは段差や勾配に強く、リバーシブル設計で操作性が高い特長があります。CAPRA HIRCUSは独自のホイールを使い、屋外の未舗装路や狭い場所で柔軟に走行します。
目次
障害物や段差を回避する能力を持つAMR
AMR(Autonomous Mobile Robot)とは、自律移動ロボットとも呼ばれており、目的地までのルートを自ら判断し、人や障害物を避けながら、自動で移動するロボットのことを指します。AMRは倉庫内でのピッキング作業をはじめ、工場での工程間搬送や飲食店での配膳などで広く活用されています。
◇SLAM方式で障害物や段差を検知
SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)方式とは、現在地の推定(自己位置推定)と周囲環境の把握(環境地図作成)を同時に行う技術のことを指します。この技術により、自動で障害物や段差を検知し、目的地までの自動走行を可能としています。
なお、SLAM方式はAMRの他にも、ドローンやお掃除ロボットといったさまざまなものに活用されています。
◇AMRを導入する利点
AMR(自律型移動ロボット)の導入は、現場での人手不足を解消し、従業員の作業負担を軽減する重要な手段です。特に、体力を要する運搬作業(ピッキング)をAMRによって自動化することで、従業員はより高度な作業に集中でき、作業効率が向上します。この自動化は、労働環境の改善とともに、企業の生産性向上にも寄与します。
AMR導入には初期投資が必要ですが、それによって人件費や教育コストの削減が期待できます。また、従業員の作業負荷が減少することで、労働力の持続可能性も高められます。さらに、AMRによる移動距離や時間の最適化は、倉庫内の物流作業全体の効率化につながり、業務のスムーズな運営を支援します。
このように、AMRの導入は単なる技術革新にとどまらず、経済性や労働環境の改善、そして企業の競争力強化に寄与する多面的な効果をもたらします。
ロッカーボギー機構を備えたAMR

DANDY AUTO PILOTは、ロッカーボギー機構を採用し、段差やスロープを自在に走行できるAMRです。タッチパネルでのルート設定が可能で、導入から2か月後からの月額制で試験的に使用できます。惑星探査などの過酷な環境でも信頼される技術です。
◇DANDY AUTO PILOT
従来、AMRは段差や勾配がある場所での活用は難しいとされていました。しかし、DANDY AUTO PILOTはロッカーボギー機構を備えているため、段差やスロープの走行が可能です。
また、タッチパネルを使用したルート設定が可能であり、使用される現場に合わせて、自由に設定を変更できます。最短2か月からの月額制も用意されているため、試験的に導入できます。
◇惑星探査にも使われる
ロッカーボギー機構とは、段差や勾配がある場所でも自立走行できるシステムのことを指します。ロッカーボギー機構は6つの車輪、ボギーリンク、ロッカーリンクで構成されており、不整地でも安定した走行が可能なことから惑星探査などにも広く使用されています。
段差だけでなく斜面にも強いAMR
EffiBOTは、段差や勾配がある場所での使用が可能で、4WDタイプは最大傾斜5%の環境でも運用できます。リバーシブル設計により、前後から操作が可能で、Uターンに広いスペースが不要です。
◇EffiBOT
EffiBOTの大きな特徴のひとつとして、段差や勾配がある場所での活用が可能な点が挙げられます。4WDタイプのものは最大傾斜5%の場所でも活用できるため、段差やスロープの多い施設や環境での活用も可能です。
◇リバーシブル設計
EffiBOTは前後どちらからでも操作が可能なリバーシブル設計を採用しているため、操作性に優れています。また、前後の走行方向の切り替えが可能なため、Uターンおよびそれを行うための広いスペースを必要としません。
屋外の環境にも適応できるCAPRA HIRCUS
CAPRA HIRCUSは独自に開発したホイールを採用しており、縁石などの段差を乗り越えることができます。また、凹凸のある地面や砂などの未舗装路でも走行可能です。そのため、屋外で広範な活用が期待されています。CAPRA HIRCUSは敏捷性に優れており、他のロボットでは難しい狭い場所でも走行できます。
◇独自のホイールを採用
CAPRA HIRCUSは独自に開発したホイールを採用しています。縁石などの段差をも乗り越えられ、凹凸のある地面や砂といった未舗装路をも走行できるため、屋外での活用も可能です。また、CAPRA HIRCUSは敏捷性に優れているため、他のロボットでは困難な狭い場所をも走行できます。
◇様々な用途に対応できる
CAPRA HIRCUSはアタッチメントを取り換えることにより、さまざまな用途での活用が可能です。例えば、接続した台車を牽引する牽引車としての利用、重量物および小さな荷物の搬送を行うカートとしての利用などが挙げられます。また、ごみの吸引、雑草や氷の除去、境界の監視や敷地内の見回りといった用途でも活用できます。
AMR(自律移動ロボット)は、自らルートを判断し障害物を避けて移動する技術で、倉庫のピッキングや工場の搬送、飲食店の配膳などに利用されています。
SLAM方式を用いて障害物や段差を検知し、効率的に自動走行します。AMR導入により、作業効率が向上し、人手不足の解消や作業負担の軽減が図られます。特に、体力を要する作業の自動化は労働環境の改善にも繋がります。
さらに、AMRは初期投資が必要ですが、その後の運用コスト削減や労働力の持続可能性が期待されます。
AMRの多様な活用例として、DANDY AUTO PILOTはロッカーボギー機構を備え、段差やスロープでも安定した走行が可能です。
EffiBOTは段差や勾配に強く、リバーシブル設計で操作性が高い特徴があります。
また、CAPRA HIRCUSは独自のホイールを活用し、屋外での未舗装路や狭い場所でも柔軟に走行できます。さらに、様々なアタッチメントを使い分けて牽引車やカートとしての利用、ごみの吸引や境界の監視といった多岐にわたる任務にも対応します。
