【PR】搬送ロボットガイド

搬送ロボットガイド

AMRロボットの世界市場は拡大の予想!背景や導入事例を紹介 | 搬送ロボットガイド

AMR

AMRロボットの世界市場は拡大の予想!背景や導入事例を紹介

AMR

公開:2024.02.27 更新:2024.10.07

EC市場の成長や省エネ化への需要の高まりを受け、AMRロボットの世界市場は拡大し続けています製造業が主流であり、物流業でも注目されています。AMRは労働力不足や省エネ化への対応として注目され、ロボットと人の分業・協働が進んでいます。ニトリやAmazon、日本通運などの企業がAMRを導入し、労働環境の改善と生産性の向上を図っています。

AMRロボットの世界市場は将来的に拡大

AMRロボットの世界市場は拡大傾向にあります。その主な要因は、EC市場の拡大、カーボンニュートラルに向けての電動化などです。AMRを導入しているのは主に製造業ですが、近年物流業でも注目されています。

◇AMRの市場は拡大傾向

コロナ禍などのパンデミックによるEC市場の成長、経費削減と作業効率化を図る企業の増加、カーボンニュートラルに向けての電動化などを理由に、AMRの市場は拡大傾向にあります。

2023年矢野経済研究所が行った調査でも、AGV・AMRの世界市場規模は、メーカー出荷金額ベースで2021年は3387億円、2022年は4017億円、2026年には9087億円になると予測しています。

◇製造業が主流で物流業でも注目

AMRの需要は製造業が主流ですが、世界各国でEC市場が拡大したことにより、物流業でもAMRが注目されています。需要の割合は、製造業約8割、物流業が約2割です。

AMRは導入初期費用が必要なため、資金力のある大手や中堅企業で、製造業では自動車および自動車関連業界、エレクトロニクス業界が導入を進めています。物流業でAMRの導入を進めているのは、主に物流倉庫を所有するアパレル業界や食品業界です。

◇将来における拡大の展望

今後AMRの世界市場はさらに拡大し、日常業務においてAMRが新たな常識になることも考えられます。その理由は、持続的な成長と効率性を確保するためには自動化が不可欠で、ロボット技術が重要な役割を果たしているからです。

電子商取引の急成長や、日本、韓国、中国などで行われているAMRの導入や製造に対する支援なども、AMRの需要を後押ししています。

その一方で、半導体や電子部品の供給不足がAMRの市場拡大の妨げになると懸念されていましたが、現在、供給不足は解消しつつあり正常化する見込みであるため、AMR生産への影響も減少するでしょう。

AMRの世界市場が拡大する背景とは

AMRの世界市場が拡大する背景には、少子高齢化に伴う労働力不足、ロボットと人との分業および協働もあります。省エネ化に向けた需要の高まりも、拡大の要因のひとつです。

◇少子高齢化に伴う労働力不足への対応

近年、日本を始めとする多くの国々で少子高齢化の問題に直面しています。長寿大国の日本は、少子高齢化の傾向が著しく、労働力不足の原因となっています。このような状況下で、特に影響を受けやすい業種が製造業や物流業です。

なかでも、単純作業の運搬作業は、労働力不足を補うための代替手段が求められています。自律的に移動できるAMRは、運搬作業を得意としているため、少子高齢化に伴う労働力不足に対応できるロボットとして注目されています。

◇ロボットと人との分業・協働

産業ロボットは、製造現場で作業員が行っていた作業を引き継ぎ、業務の効率化を図ることを⽬的とするものです。産業ロボットの導入は、⽣産性向上を実現できる反面、ロボットが仕事を奪ったり、失業者が増加したりするのではないかという不安もありました。

しかし、実際は、ロボットと人が分業・協働すれば、単純作業や危険を伴う作業を産業ロボットに任せられ、作業員はよりやりがいのある仕事に専念できるようになります。

ロボットと人との分業・協働は、離職防止にも役立つことも、協働型搬送ロボットAMRの導入を検討する企業が増えている理由といえるでしょう。

◇省エネ化に向けた需要の高まり

日本では、労働力不足や新型コロナウイルス感染拡大がきっかけとなり、自動化と省力化への意識が高まっています。しかしながら、柔軟な生産方法が求められるようになった製造現場で、画一的な自動化と省エネ化は簡単ではありません。

例えば、コンベア機器は、最大搬送物を想定して設計するため過剰性能になってしまうのが通常で、回転し続けると無駄にエネルギーを消費することになります。一方、AMRは搬送物ごとに最短ルートで搬送できるので、自動化と省エネ化に役立つものとして需要が高まっています。

製造・物流業者におけるAMRの導入事例

ニトリは、ノルウェー企業製のロボットストレージシステムを導入し、倉庫作業を効率化しました。Amazonも産業ロボットを導入し、作業負担を軽減しています。日本通運ではAMRを導入し、作業員の肉体的負担を軽減しています。

◇家具メーカーのニトリ

家具メーカーのニトリはEC需要の増加と店舗での商品展開の限界から、倉庫の効率化を目的としてノルウェー企業が開発したロボットストレージシステムを導入しました。これにより、約1万2千種類の小物商品の入出庫と管理だけでなく、人気アイテムや売れ筋商品の分析および収納配置の決定を自動化することに成功しました。

AMRの導入により、作業員は倉庫内を動き回る必要がなくなったため、導入前より作業員は安定して働けるようになり、残業時間も減少しています。

◇通販業者大手のAmazon

急増するEC需要により、倉庫内では過酷なシフトの長時間労働や事故などの問題が発生していました。この状況を改善し、よりよい労働環境を整えるために、Amazonは産業ロボット導入に踏み切りました。

倉庫内ではAMRが商品を運搬し、産業用ロボットアームが荷物を棚やカートに移動させ、AI搭載のフォークリフトがカートを運搬します。これにより、作業員は移動する必要がなくなり、負担が大幅に軽減されました。

ただし、商品のサイズや重さが異なることから、すべての作業が自動化はされているわけではなく、現時点では一部の作業のみをロボットがこなし、その他の作業は作業員が引き続き行っています。

◇物流最大手の日本通運

日本通運では、倉庫にラピュタロボティクス社のAMRを10台導入しています。作業員が商品をピッキングすると、AMRが受け取り所定の場所まで運び、さらに次のピッキング場所を指定します。

導入前は、作業員はピッキングリストとハンディターミナルを持って、台車を押しながら倉庫内を移動していました。AMRの導入後は、手ぶらでAMRが待機している場所まで行き、商品をピッキングしてカートに入れるだけになり、作業員の肉体的負担も大幅に軽減しました。


AMR(自律型搬送ロボット)の世界市場は現在、着実に拡大しています。この成長の背景には、EC市場の急速な拡大やカーボンニュートラルへの取り組みに伴う電動化ニーズ、さらには労働力不足などの要因が挙げられます。

2023年に実施された矢野経済研究所の調査によれば、AGV(自動ガイド付き車両)やAMRの世界市場規模は急速に増加しており、2021年から2026年にかけて約2.5倍に拡大する見込みです。

製造業がAMRの主要な需要先ですが、近年では物流業界でも注目が高まっています。具体的には、製造業が約80%、物流業が約20%の割合でAMRを導入しています。大手企業を中心に、自動車やエレクトロニクス関連企業などが導入を進めています。

また、AMRは、作業効率の向上だけでなく、労働者の作業負荷軽減にも貢献しています。

将来においても、AMR市場は拡大が続く見込みです。自動化と効率化が企業の競争力を左右する中で、AMRは重要な役割を果たしています。また、日本や韓国、中国などでの導入促進策や、技術革新による市場のさらなる活性化が期待されています。

加えて、AMRの導入による省エネ効果や労働力不足への対応など、社会的ニーズも拡大しており、これらが市場成長を後押ししています。