ヘルスケア・医療分野におけるAMR(自律走行搬送ロボット)の活用方法とは? | 搬送ロボットガイド
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ヘルスケア・医療分野におけるAMR(自律走行搬送ロボット)の活用方法とは?
公開:2024.02.27 更新:2024.10.07
ヘルスケア分野においてAMRは医療機器や物品の搬送に使われ、医療スタッフの負担を減らします。またパンデミック時には非接触での安全な対処を可能にし、感染リスクを低減します。MiRシリーズやLDシリーズなどの自動移動ロボットが導入され、施設内での作業を効率化しています。
目次
医療サービスの質向上を支援
AMRはヘルスケアの領域において医療機器や物品の搬送に活用され、医療スタッフの負担を軽減します。特に救急医療現場では迅速な医療物品の供給や感染リスクの軽減が期待されます。AMRは通信機能も備え、医療チームが迅速に情報を共有し、効率的な対応が可能です。
◇医療従事者に代わって医療機器を搬送
AMRは、医療機器や医療物品を搬送する手段として、ヘルスケアの分野で広く使用されています。近年、医療従事者の不足が懸念されていますが、病院内で薬剤や医療機器、サンプルなどの物品を安全かつ効率的に運搬するためにAMRが使用されています。
AMRを導入することにより医療スタッフの負担を軽減し、より重要な作業に時間を割けます。薬剤や臨床検査品などの搬送はもとより、ゴミ箱や台車、リネンなどの搬送もAMRに作業を任せることによって、医療スタッフは患者ケアに専念できます。
また、キッチンから病室への食事の搬送や、空のトレイの返却などの作業でも、AMRが活躍をしています。それだけではなく、AMRに搬送を任せれば、医療スタッフが部門間を移動して他の医療スタッフと接触する機会が減るため、ウイルスや細菌の拡散も軽減します。
◇特に救急医療現場で期待大
一刻を争う救急医療現場の分野でもAMRを使用することによって、迅速かつ正確に必要な医療機器や医薬品を現場に供給できます。現在、国内の主要な救急医療機関にも、AMRが積極的に導入されています。
特に感染症の疑いがある患者に対しては、AMRを活用することによって医療スタッフの感染リスクを軽減し、患者の安全な搬送を確保できるのもAMR導入のメリットです。
休日や夜間などの救急医療現場でも、医療スタッフの不足を補い、必要な医療物品をすみやかに運んでくれるのがAMRです。
通信機能が搭載されているAMRであれば、医療スタッフとの間で情報の収集・伝達を行うのに役立つため、医療チーム全体が迅速に情報を共有し、適切な対応ができます。
感染症対策として注目度アップ
AMRは医療機器の搬送だけでなく、病院内の案内や巡回も担当し、パンデミック時に医療スタッフの感染リスクを低減し、非接触での安全な対処を可能にします。また、コロナ禍での需要増により、AMR市場は急拡大し、医療現場でも積極的に導入が進んでいます。
◇パンデミック時に非接触での対処を実現
AMRの業務は、医療機器の搬送のみにとどまりません。病院内の案内や巡回などもAMRに任せることにより、パンデミック時でも医療スタッフが感染症にかかるのを防ぎ、非接触で安全な対処を実現できます。
医療スタッフと患者との接触も最低限に抑えることができるため、医療施設内での感染の拡大を防ぐことが可能です。従来は人手で行っていた検査や診療なども、AMRを使用することで感染のリスクが大幅に減少しました。
通信機能が備わっているAMRでは、非接触で医療スタッフの情報の共有やコミュニケーションが効率よく行われます。
◇コロナ禍でAMR市場が拡大
2010年代以降、AMRが日本のさまざまな企業や研究機関で使用されるようになりました。近年は医療の現場でもAMRを採択するケースが増えており、コロナ禍によってAMR市場は大きく拡大しました。コロナ禍によるAMR市場の拡大は日本のみで起きている現象ではなく、北米やヨーロッパ、中国などでもAMR化のニーズは高まっています。
看護師をはじめとする医療スタッフの人員不足は、コロナ禍以前から問題とされていましたが、コロナ禍の到来によってAMRの導入を支持する医療機関は増加しています。
2021年から毎年、AMRの世界市場規模は連続して120%前後の伸びを見せており、日本や中国、韓国などではAMRの生産・導入に対する支援が行われていることから、今後もAMR市場が拡大していくことが予想されます。
医療現場におけるAMRの活用事例
MiRシリーズは、医療施設内の輸送作業を自動化し、医療スタッフの負担を軽減します。人や障害物を回避し、さまざまなタスクに対応可能。既存の備品を利用し、自律移動して搬送できます。一方、オムロンのLDシリーズは最小限のプログラミングで効率よく作動し、無菌室内での物品搬送や医療スタッフの負担を軽減します。
◇MiRシリーズ
カンタム・ウシカタのMiRシリーズは施設内の輸送作業効率を向上させるためにデザインされています。医療施設内での書類や医療物品の配布·回収などといった単純作業を自動化し、医療スタッフがより高度な作業に集中することを可能にしています。
人協調型ロボットのため、人や障害物を自動的回避するだけではなく、トップモジュールを交換することでさまざまなタスクに対応できます。これまで、人が行っていた重量のある医療物品や機器の搬送もMiRシリーズが代わって行うため、スタッフの肉体的な負担を大幅に軽減することに成功しています。
薬剤カートや資材コンテナなど、これまで医療スタッフが使用していた既存の備品を利用できるのがMiRシリーズのメリットで、あらかじめ記憶した地図を自律移動して搬送できます。
◇LDシリーズ
オムロンのLDシリーズは、最小限のプログラミングで効率よく作動するように設計されています。社内にある他のITシステムとも接続可能であるため、最短時間でソリューションを立ち上げ、稼働開始することができるのが大きなメリットです。
LDシリーズは特に無菌室内における物品の搬送や実験検体の搬送などの分野で使用され、医療スタッフの負担を軽減しています。
LDシリーズの中でも、「HD-1500」は1500kgの高荷重を実現した最新の自動移動ロボットで、パレットサイズの機器なども簡単に搬送することができます。
医療サービスの質向上を支援するために、ヘルスケア分野でAMR(自律型モビリティロボット)が広く使用されています。これは、医療機器や物品の搬送だけでなく、救急医療現場での医療物品の迅速な供給や感染リスクの軽減にも貢献しています。
また、AMRは通信機能を備えており、医療チームが迅速に情報を共有し、効率的な対応を可能にしています。
さらに、パンデミック時には非接触での対処を実現する重要な役割を果たしています。AMRは病院内での案内や巡回も担当し、医療スタッフの感染リスクを低減し、安全な対応を実現します。このような需要の増加により、AMR市場は急速に拡大しています。
具体的には、MiRシリーズとLDシリーズが注目されています。MiRシリーズは施設内の輸送作業を自動化し、医療スタッフの負担を軽減します。
LDシリーズは無菌室内での物品搬送や実験検体の搬送などに使用され、最小限のプログラミングで効率的に作動します。これらの技術の進歩により、医療現場の効率性と安全性が向上し、医療サービスの質の向上に寄与しています。
